16世紀のミソジニー・死・解剖図譜

今日の午前中は少しのんびりして、明日のジェンダー論のPPTを作った。思春期と男女のヒステリーの話を90分でまとめる講義である。主力は19世紀と20世紀前半で、シャルコーの女性のヒステリーと、20世紀前半の戦争における男性兵士のヒステリーの話である。初期近代の魔女狩りの話に少し触れる部分がある。そこで画像を使うのに、ハンス・バルトゥンク (Hans Baltung, c.1484-1545)の魔女の版画を用いた。バルトゥンクはデューラーの弟子の一人で、絵画と版画を巧みにして、特に魔女狩りのエロティシズムとミソジニーが混合している強烈な版画はしばしば用いられる。
 
彼が魔女を描いた作品を探してウェルカム図書館に行って、Hans Baldung の名前で検索したところ、三点の作品が出てきて、これが非常に面白いストーリーを形成する作品を三つそろえたものだったのでメモしておく。それは、16世紀には、ミソジニー・死・解剖図譜が相互に連関しているという話である。これは史実やバルトゥンクよりも、ウェルカム図書館のカタログと資料収集で起きた偶然が大きいといったほうが良い(笑)それらの連関が強烈に存在したのはサド侯爵の話だと思う(笑)
 
話としては、このようになる。彼がミソジニーの主題に触れて女性たちを薬物と壺を用いた魔女として描いたのが最初の画像。その女性たちが美しい服装で歩いていると死に誘われる場面が二番目の画像。そして男が解剖されて胸部と腹部の臓器などを示している医学書である解剖図譜が三番目の画像である。ミソジニーと死と身体の問題。いい話題の導入にはなるかもしれないが、ちょっと外している感じがある。より詳細については Wellcome Library で検索すると出てきます。
 

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