磯野真穂、上田みどり. "心房細動の抗
血栓療法における不確実性―人文・社会科学の立場から." Medical Science Digest 42, no. 11 (2016): 509-13.
先日の京都のワークショップでお会いした磯野先生に論文を頂いた。医療におけるリスクが、医療者と患者にとってどのような意味を持つのかについての議論である。リスクは、私が勉強していないたくさんの主題の一つで、
ありがたく拝読する。「心房細動の抗血栓療法」に関する新しい治療法のリスクの話である。理論的なフレイムワークとしては、経済学者の F.H. Knight, 社会学者のルーマン、人類学者のメアリー・ダグラス、そして一ノ瀬正樹などが用いられている。「疫学統計上は計算可能なリスクとしてみなすことができる現象は、[臨床の]現場では真の不確実性の色を帯びる」という一文を憶えておこう。