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メモーサド・マゾヒズム、犬の流行病

マリー・ボナパルト『クロノス・エロス・タナトス佐々木孝次訳(東京:せりか書房、1978)

 

フランスにおけるフロイトへの転向者の一人であるボナパルトの著作はいくつか翻訳されている。冒頭の論文「サド・マゾヒズムの生心理学的考察」(7-50) は、フロイトの論文「性に関する三つの論文」(「サディストは同時にいつもマゾヒストである」という引用で名高い)や、マルキ・ド・サドの『ジュスティーヌ』、ボードレール惡の華』などを長々と引用しては、サディズムについての考察を付け加える文章。サド・マゾヒズムがどのように昇華されるのかという議論が重要なのでメモ。真・善・美のうち、「善」という要素が、サド・マゾヒズムを真に昇華できるとは思えない、一方で、美に関連する芸術は、シェイクスピアであれ他の優れた作品であれ、サド・マゾヒズムの昇華を最大限に行うことができる。

 

もう一つ、別の論文「エロスの本質的アンビバランスについて」(51-141)に記していた、ウィーンの犬の流行病について。フロイトも「ルン」という名前のムクイヌを買っており、ボナパルトもトプシーという子犬を飼っていた。しかし、1937年にウィーンで犬のスピロヘータとチフスの流行病があって、約2万匹の犬が大量死したという。そのため、ウィーンでは犬にマスクをかけさせて散歩させていたという。へええ。