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医療の社会史 30(2017), no.2 より。

Social History of Medicine, 30(2017), no.2 から。サイトは以下の通り。アブストまでは誰でも読むことができます。

https://academic.oup.com/shm/issue/30/2

Shepherd, Jade. "‘I Am Not Very Well I Feel Nearly Mad When I Think of You’: Male Jealousy, Murder and Broadmoor in Late-Victorian Britain." Social History of Medicine 30, no. 2 (2017): 277-98.

19世紀後半に、自らの妻を殺して精神錯乱の理由で処罰されずにブロードムーア精神病院に収容された男性に焦点を当てた研究。男性の嫉妬という現象をめぐって、精神医学、司法、文化がどのような態度を取ったのかという、一つの現象についての複数の層・集団がどのような関係にあったかを分析するという手法である。なんといっても『オセロー』の国ですから、文化や文学では深く根付いていた概念であったが、精神医学と司法ではまだまだ周縁的な概念であったという。

Powell, Julie M. "Shock Troupe: Medical Film and the Performance of ‘Shell Shock’ for the British Nation at War." Social History of Medicine 30, no. 2 (2017): 323-45.

これは、我々の多くが観たり授業で見せたりしている映像記録に関する研究。第一次世界大戦のイギリスの将校と兵士が、どのような「シェルショック」の症状を示したのかを、軍の精神病院で撮影した著名な映像がある。これは、1917年に撮影されて1918年に編集されただけでなく、1940年にももう一度編集されているという。1918年版では、階級制が強調され、個人と国家のトラウマの概念が強調され、国家とマスキュリニティーの危機と、それを乗り越える努力が前面に出ている。 一方、1940年版では、復古された第一次大戦の概念が前面に出ているという。アブストした見ていないので、よく分からないけれども、同じ映像を使った二つの映画を較べるという手法に感心する。