知的障碍児の収容院の廃院

 
D'Antonio, Michael. The State Boys Rebellion. Simon & Schuster, 2004.
 
これはアメリカのマサチューセッツのウォルター・E・フエルノルド発達研究センターの廃院部分。たまたまダウン症の研究に関して現れてきた施設である。19世紀の半ばに男子の知的障碍児を対象に作られ、全盛期には2,500人を修養していた。基本は慈善と福祉の産物であった。しかし、1940年代から10年ほど、栄養学や放射線による実験的な治療の試みが行われた。これらは実際に障碍が出たという水準ではなかったが、子供にも親にも了解がなった。これと結びついてダウン症の子供に関する実験も行われていた。一連の行為が、1990年代に裁判の対象となり、実験を行った MITとクエイカ―が敗北して、高額の謝罪金を払った。
 
21世紀には規模は縮小しており、2001年には収容者は300人ほどで、多くが高齢者であった。2013年に最後の患者が地域に受け取られた。
 
この精神病院に関してすぐれた書物が出ている。これは読んでおこう。そのような暗さを持った動きと並行して、もっとよい形で障碍児をケアする力があった人たちが存在する。そちらの人たちについても、よい書物を読んでみたい。