蓄膿症と精神疾患とスペイン風邪

芸術新潮』で関根正二 (1899-1919)という画家の蓄膿症、精神疾患、インフルエンザの三つの疾病の重なりが記されている部分があったのでメモ。関根は私が初めて聞いた画家である。
 
まず1914年4月に東大の帝大病院で蓄膿症の手術をした。そこで田口真咲(1896-1921) という女性に出会って恋をする。しかし、東郷青児が田口を強姦し。これが関根にとって失恋事件となった。そのため、1918年9月に日比谷公園松本楼で正気を失って暴れる事件を起こした。日比谷の松本楼は東京の中心部の言論の中枢であり、右翼と左翼と文化人たちとファッションの情熱が交差する場であった。そのため警察に一晩拘留されたが、彼をひきとる仕組みがあり、精神病院には収容されなかった。昨日できる仕組みがなくて、そこから精神病院で収容されたケースもある。しかし、1918年の末にスペイン風邪にかかり、肺炎を併発して、1919年の6月に死亡する。