中国伝統医学 (TCM) によるcovid-19 に対する有効性のキャンペーン
BBCから。covid-19 の発生の中核の問題は、中国の市場で取引される野生動物をどのように管理するかということである。SARS においても、covid-19 の発生地である武漢市の海鮮市場においても、第二派にあたる北京の海鮮市場においても、そこで取引される野生動物が重要なポイントだった。その野生動物は何かということについては、コウモリが一つの源泉だと考えられている。そして、コウモリたちが吸血したジャコウネコなどはよく野生動物として食べられる。コロナウィルスがヒトに感染するためには、このような野生動物と市場というメカニズムがある。
一つの大きな問題は、ジャコウネコが食用であると同時に、中国伝統医学 Traditional Chinese Medicine における薬でもあることだ。だから、ジャコウネコというと、食用か薬用か曖昧である。あるいはもともと渾然一体であるのかもしれない。この部分は調べてみたいと思っている。
そんなことを考えていたら、中国からはTCMがcovid-19にとって有効であるという一大キャンペーン。これも、薬品が動物系なのか植物系なのか、きっと論争があるだろう。これも少し押さえておく。
書評 石原あえか『日本のムラージュ 近代医学と模型技術:皮膚病・キノコ・寄生虫』が公開されました
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しばらく前に執筆した石原あえかさんの優れた書物である『日本のムラージュ 近代医学と模型技術:皮膚病・キノコ・寄生虫』が公開されました。PDFになっておりますので、ご覧ください。
書評は学者にとってとても重要な仕事だと考えています。学術雑誌のエッセイ・レヴューや、一般知識人向けのLRBなどを読んでいるからだと思います。そこで取り上げられる優れた書物である場合には、本気の論戦を設定して議論をすることが多いです。私にとってそうでない場合には、色々な意味で力を抜いた書評を書きます。石原先生のご本は非常に優れていました。それがあって、本気で批判した書評です。ただ、あの手法は良くなかったと反省しています。難しいですね。
最近、Lisa Jardine というしばらく前に亡くなった英文学者の論評をBBCで聴いていて、こうするんだなと感心・感動することが多いです。6月27日に大きなセミナーの仕事をするのですが、少しだけそれを入れてみようかと思っています。
モーリタニアの図書館の危機
モーリタニアという共和国がアフリカの西側の内陸部にある。かつては東側で繁栄したイスラム文化を西側につなぐ交通路の重要なポイントであった。そこには文化が発展し図書館も作られる。内容としては、哲学、宗教、科学などに関する写本のコレクション。実際には、先進的な天文学の写本を紹介してくださった。しかし、サハラ砂漠の拡大の中で危機に直面しているとのこと。
もちろん(おそらく)アラビア語で書かれていて、その言語や写本を私が読めるようにはならない。けれども、この膨大な写本を読んで、ガレノスやヒポクラテスと、アラブ・イスラーム世界の共通点と違いを説明していただければ、非常に嬉しい。10万円頂いたけれども、それには感謝しながら、この財団があれば寄付しよう。
ちなみに、モーリタニアとモーリシャス島は、たしかに同じアフリカですが、全く違う地域というか、ほとんど正反対ですので、きちんと区別すること。一人で大混乱していました(涙)