昨日の記事で、ちょっとした訂正があります。
タイトルを「爆発する閉経女性」としましたが、もとの言葉は combustion で、これは瞬時に燃焼するという感じですね。 1800年に、『蒸留酒の長期にわたる悪用による人間の瞬間燃焼について』というフランス語の本を出版した Pierre-Aime Lair も、combustion という言葉を使っています。 Foxcroft の書物に引用されている当時の記事を読むと、胴体部分は一握りの灰になり、手と足はそのままで、悪臭がする脂肪が、家具やタペストリーや壁に飛び散って付着しているという記述があります。 別の記述では、体は全て燃えてしまい、燃え残りの表面に白い粉があるだけだといいますから、これは理科の実験で見た、酸素の中でのマグネシウムの燃焼のような感じかしら。
おとぼけ女医さんから、若い飲酒女性が燃焼しないのは、ホルモンのせいだと考えた医者はいないのかという質問がありました。 この現象が議論された当時は、まだホルモンの概念がありませんから、そう考えた医者はいません。 この本では、年をとった女性は不活発で肥満してくるから、燃焼しやすくなるのだという説明が紹介されています。 きっとラヴォアジエたちの「燃焼の化学」が人々を興奮させていて、人間の体内で起きていることは実は燃焼なのだというアイデアが、医者たちの想像力をかきたてて、このような現象が話題になったのでしょうね。 (ラヴォアジエ云々は私の想像です。)
肥満には色々な健康のリスクがともなうことは、厚生省の健康21とか健康番組で紹介されているけれども、それに「瞬間燃焼してしまう」ことも付け加えるべきでしょうかね(笑) そうそう、このポイントは、「火をつければ燃える」ではなく、「自然発火して瞬時に燃え尽きてしまう」ということですから、これは内科の問題ですね(笑)