Kontopodis, Michalis, Joerg Niewoehner and Stefan Back, “Investigating Emerging Biomedical Practices: Zones of Awkward Engagement on Different Scales”, Science, Technology, and Human Values, 36(2011), 599-615.
STS学会の機関誌である STHVが、Investigating Emerging Biomedical Practices という特集を組んでいた。基本は、人類学の志向を持った医療のSTS研究ということで、普通にいうと医療人類学をベースにした発展ということだろう。そこで、人類学的な志向をもったSTSを発展段階に分けて説明してくれる部分があったので、それをメモする。
STS学会の機関誌である STHVが、Investigating Emerging Biomedical Practices という特集を組んでいた。基本は、人類学の志向を持った医療のSTS研究ということで、普通にいうと医療人類学をベースにした発展ということだろう。そこで、人類学的な志向をもったSTSを発展段階に分けて説明してくれる部分があったので、それをメモする。
もともと、ルードヴィヒ・フレックの思考法も人類学的な志向を持っていたが、人類学的なSTSが本格的に現れたのは、ラトゥールやトラウィークが実験室などの科学の中心の場におけるエスノグラフィーを行ってからである。それから、科学と身体のマテリアリティを論じる方向(ハラウェイ)の第二期、生命科学の「文化性」を論じたエミリー・マーティンのような第三期、この特集は、科学の場ではなくて、よりエンゲイジするのが難しい空間でフィールドワークをし、問題を設定する第四期だという。
ラトゥール、ハラウェイ、マーティンあたりで人類学の関心のありかを見失ってしまっている私のような歴史学者が、なんとなく安心できるようにする仕事である。