Markku Hokkanen, “Imperial Networks, Colonial Bioprospecting and Burroughs Wellcome & Co.: The Case of Strophanthus Kombe from Malawi (1859–1915)”, Soc Hist Med (2012) 25 (3): 589-607.
バイオプロスペクト―生的採掘の概念を用いた論文をきちんと読む。帝国主義時代の世界の利用と人類学・医学・科学・産業の役割について。人類学的観察―周縁地の科学―メトロポリスの科学・産業という枠組みの研究。「現地の植物の効果を知り、その薬効成分を分析して取り出して、それを製薬産業で大量生産する」というパターンの研究。ロンダ・シービンガーの『植物と帝国』も分析の一つの道具になっているが、Hayden, When Nature Goes Public: The Making and Unmaking of Biorespecting in Mexico (2003) が重要な著作であるとのこと。日本の医学・植物学も台湾や韓国できっと同じことをやっていただろうなと思う。
Bioprospect ー「生命体から有益な何かを採掘する」という感じの言葉だろうか。世界の周縁部を含めた各地にいるさまざまな生命体について、それを観察し、「採掘」し、科学を用いて分析・商品化するという概念だと思う。とても面白い。