大正7年の保健善悪番付


大正7年の『変態心理』の投書欄より、身体によい健康的な生活と、むしろ体に悪い不健康な生活を対比させて、相撲の番付の形で表現したもの。「体に悪いもの」を見ると、あまりに最先端の科学技術を求めた医療や衛生をもとめて、過剰な健康と医療への信仰を持ってはいけないという哲学が見えてくる。悪いものとして、「ラジユムレントゲン治療」や「分析表による食物」「1000倍の顕微鏡」などが現れているのは、淡路島の三宅なにがしという人物が、科学技術と健康の関係を、争点の一つとして持っていたということになる。一方で、「体に良いもの」を見ると、質実剛健でシンプルな生活、寒暑や空腹や苦労を通じた鍛練がよいということになるだろう。