芸術新潮とスワスティカとハーケンクロイツについて

芸術新潮でいい記事を読んで、スワスティカについて Wikipedia を調べる機会があった。スワスティカについての記事もすぐれた記事であること、それから、ハーケンクロイツという言葉をきちんと使わなければならないと思った。

芸術新潮の2018年5月号が、全体として良い記事が多くて、私ぐらいの人間にはメイン特集の「最強の日本絵画100」というのが便利な特集である。精神疾患に関するメンションも多くてためになった。

冒頭の記事は、インドのクンバコナム (Kumbakonam) というヒンドゥー教の古い寺院の壁に、「卍」(マンジ)という文字が数多く書いてある写真で始めている。この写真をみて、一瞬、ナチスの紋章として有名な「スワスティカ」と勘違いした。

ウィキペディアの swastika を読むとよくわかる。スワスティカはもともとはサンスクリット語で、時計回りがスワスティカ、反時計回りがサウヴァスティカと呼ばれること。そこからスワスティカが一般名詞になったこと。「日本人がマンジと呼ぶスワスティカ」という表現でOK であること。もともとのサンスクリットでは、これは反時計回りだからサウヴァスティカでなければならないが、そこをいつも区別はしないこと。ナチスの紋章についても、「ナチスハーケンクロイツと呼んだスワスティカ」と呼べばいいこと。これは時計回りだからスワスティカと呼んでいいこと。「スワスティカ」という本来はナチス批判とは無関係な言葉を、その意味にだけ使っていて、このことはちょっとゆがんでいること。それは「ハーケンクロイツ」という言葉を使うのがより適切であること。

下にスワスティカのエントリーと芸術新潮の写真を載せました。写真を見ると、時計回りも反時計回りもどちらも書かれていますね。あと、Kumbakonam は素晴らしい寺院です。

Swastika - Wikipedia

 

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