https://www.sciencemuseum.org.uk/see-and-do/last-tsar-blood-and-revolution
Haemophilia in the Descendants of Queen Victoria
エコノミスト・エクスプレスの記事。ロンドンの科学博物館でロシア皇帝一家についての大きな展示が始まったとのこと。難しい問題ではあるけれども、血友病Bの問題についても、さまざまな展示を行っているとのこと。
血友病は遺伝性の疾患で、日本ではHIV/AIDS の初期の被害者のほとんどが血友病患者に与えた血液製剤が HIV で汚染されていたために起きたことであり、多くの人が知っている。 Haemophilia という疾病名を憶えていてぱっと出てくるようになることがどうしてもできない、おバカな医学史研究者がいるのは本当によくない(笑)
もう一つの主題は、イギリスのヴィクトリア女王からの遺伝の問題である。ロシア帝国の皇帝一家が血友病となっており、王妃のアレクサンドラが血友病の症状を出していたこと、そこで医者やラスプーチンなどが大活躍したことも有名である。私はきちんとした本や論文を読んでいないので、読んだら報告します。
もう一つ重要なのが、ロンドンの科学博物館が、イギリスの女王様とロシアの皇帝一族の遺伝性疾患についての展示を堂々としていることである。おそらくこのような医学史的な展示をすることに関しては、数十年を掛けてきちんとした展示を行う準備ができているのだろう。他の国でも、このような主題についての実力をつければいい。古い神聖なタブー論と、妙に新しい批判精神だけのいい加減な議論だけではなく、実力を伴う医学史展示ができるようになるべきだと私は考えている。
Royal blood: “The Last Tsar” |
The murders of Nicholas II and his family signalled the demise of the House of Romanov—and the beginning of a century of fascination with this doomed Russian dynasty. Popular culture tends to focus on the alluring possibility of survivors, but the Science Museum in London takes a more grounded approach. Its new show, “The Last Tsar: Blood and Revolution”, traces the imperial family’s use of conventional and mystical forms of medicine after their heir was diagnosed with haemophilia B. Their journey into spiritual healing brought forth one of the great 20th century icons, Rasputin. The Romanovs’ penchant for opulence means their travelling pharmaceutical cabinet is as breathtaking as their Fabergé eggs. The exhibition also explains how scientists identified their remains, using a blood sample from Britain’s current prince consort, Philip, who is related to the tsarina through Queen Victoria (from whom she inherited her haemophilia). A bad-luck bloodline, indeed. |