痛風と薬草と女王陛下のお気に入り

www.foxmovies-jp.com

 

18世紀の初頭のイギリスの宮廷を描く映画。実はまだ観ていないが、何と言っても人痘導入の時代なので胸をときめかせて待っていた(笑)そこに、この映画の評論を読んだ実佳から大ニュース!疾病と薬草と宮廷での出世の話である(笑)
 
この映画では、痛風を治す薬草を知っていることが、女主人公がアン女王の宮廷に入っていくうえで、決定的に重要なポイントとのこと。薬草と宮廷への取り上げの話、日本で対応する話を考えておこう。
 
それよりも大切なのは、痛風の歴史については、私の二人の先生であるポーター先生とルソー先生が共著で書かれた Gout: The Patrician Malady という非常に面白い大著がある。医療に関して、社会史と文学史の二つの領域が一つの主題に関して合作すると、このような傑作ができるのかという大きな印象を持った作品である。自分たちでもやってみようかと思っている。それは措いておき、手元のGout をチェックしたら、アン女王のエピソードはたしかに触れられている。William Buchan の家庭の医学を読むと、たしかに、痛風とは、薬が無力であり、節制が重要であることを示す疾病であると記してある。それを背景として、映画の中で薬草で治す女主人公に対する尊敬が一気に上昇した。
 
Buchan, William. Domestic Medicine. Garland, 1985. Marriage, Sex, and the Family in England, 1660-1800.