しばらく前に買ったけれどもまだ読んでいない本が、雑誌で書評されてしまうという事件(笑)
書籍は中欧から東欧の精神病院の建築の歴史という比較的新しい領域。それを書評に仕上げているサラ・マークスは非常な秀才であり、素晴らしい書評になっている。日本の精神病院の建築の歴史に関しては、少しでも知っている人はあまり多くない。知っている方たちは、イタリアのフランコ・ヴァザーリアを称賛する世界でも少数派の立場をとっている。実はここで取り上げられている精神病院のうち二つは、のちにヴァザーリアが医師として働く場所である。多くの日本の学者たちはヴァザーリアの貢献を評価する一方で、イギリスやヨーロッパでは、ヴァザーリア以前に何が起きていたか、ヴァザーリアの改革が何を失わせたのかもきちんと見ようという時代に入っている。モダニズムと政治がからみあう精神病院を分析した素晴らしい書物であるとのこと。私もしばらくは薬の論文を書いていましたが、これもそろそろ第一稿を仕上げることができるので、建築の書籍もすぐに読みます。 皆様も書評をお読みください。