『狂気とモダニズム』再訪のコンファレンス

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私がポスドクを始めたのは1992年で、その少しあとに、アメリカのルイス・サースという優れた心理学者と哲学者の Madness and Modernism という著作が、精神医療の歴史を研究する学者の間で非常に話題になった。狂気とモダニズムの類似性、精神分裂病と現代の芸術や文学や思想と類似を論じた素晴らしい書物である。ポーター先生に言われて、私たちは非常に熱心に読んでいた。私は今でも重視している。私個人の本にも何らかのメンションをするだろう。私自身、この10年の仕事に一段落をつけるために、日本の精神医療の歴史の著作のアウトラインを書いた。これは1920年から1945年を中心とするモダニズムの時期の東京の精神医療に関するモノグラフである。そのタイトルにはきっと Madness や Modernism という言葉を入れようと思っている。サースの著作を尊敬していることの表現である。

この作品が発表されてから25年が経った。そのことを記念して、この著作はオクスフォードから再び刊行された。この書物を愛している学者たちが多いので、ダラムの医療人文学研究センターでこの著作をめぐるコンファレンスがあるとのこと。2018年の5月ということで参加はできないが、きっと面白い学会になると思う。

この著作は翻訳に値するだろう。多様な能力を持つ翻訳者ないしチームが必要になるだろうと思う。