睡眠と古事類苑

福武敏夫「漢字から見る神経学」。『週刊医学界新聞』で楽しみにしている月一回の項目。今回は「睡眠」が掲げられている。睡眠という言葉自体は前漢の『易林』に現れているだろうとのこと。「睡」は、花が垂れることで、目が垂れることだろうとのこと。眠は複雑で難しかったが、医学によれば、睡よりも深度が大きな現象ではないかとのこと。これは人の片目を針で潰す、奴に対する行為であるとのこと。
 
「眠」を白川先生の『字通』で引いて、眠は難しいなと思っていていた際に、偶然、「みん」の前のエントリー「ミリメートル」であるとわかる。漢字は「ミリメートル」。厘や毛などの単位名を米(メートル)に対しておき、そして、それはミリメートルという読み方しかないからということなのだろう。ちなみにセンチメートルというエントリーもあったので、大きな安心を感じました(笑)
 
それよりも私にとっては巨大なニュースであり、非常に恥ずかしい話が『古事類苑』のこと。その言葉は聞いたことがあるが、一度も自分で引かなかったと言っていい。ものすごく恥ずかしい。明治期から大正期にかけて、和装で1000巻のものが刊行された、巨大な百科事典である。日本文化研究センターで古事類苑をかなりの部分にわたって電子化している。幸いなことに、医学に関連する部分や、動植物に関連する部分は、基本的に読めるようになっている。ほとんどの研究者が使えるだろう。医学関連は「方技部」にかなりの量が収められているので、次の講義ではさっそく使ってみます(笑)