3人の女たちが捏造した多重人格という診断概念

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どの部分が正しく、どの部分は間違っているのかは私にはわかりませんが、とても面白い本です。ぜひお読みください!
 
昨日読んだシビルの多重人格の捏造問題。患者と精神分析医とジャーナリストによって1970年代に作られ、70年代と80年代に多くの人々が「信じた」多重人格。この問題が一段落したのちに、2011年に出版された書物をアマゾンで買って読み出した。これが非常に面白い。全体が20章ほどで、時間を見つけては最初の4つの章を読んでしまいました。ううむ(笑) いくつかのポイントのメモ。
 
イントロダクションの概論のあと、1,2,3章は、3人の主人公に関して、彼女たちが出会うまでにどのような経験をしたのかを、それぞれに関して復元している。1920年代から30年代のアメリカであるから地域差が非常に大きいし、3人の個人の祖先はどの地域の出身で、いつアメリカに移住したのか、両親はどのような職業なのか、そういった背景から娘には何を期待し、娘は自分自身の現在と将来に関してどのような思いを持っていたのか。このようなことを、3人に関して丁寧に記述している。日本ではあまり流行していないのかもしれないが、個人に関するバイオグラフィの手法は、イギリスやアメリカでは流行している。そうすると、それぞれの章が個人に関する問題を議論するゆとりを持つ。
 
患者はシビルという偽名ではなく、シャーリー・メイソンという実名が明らかにされている。ミネソタの田舎町の状況、父親のウォルターと母親のマティーの状況、そして先祖代々にわたってセブンスデイ・アドヴェンティストというキリスト教プロテスタントの一派である。世界が近い将来に終末を迎え、イエス・キリストが再びやってくると信じている。母親はもともと別の宗派であり、気持ちの上下はもちろんあるが、特に厳しい派ではなかった。家族の経済はあまりうまくいっていない。シャーリーは一人で遊ぶのが好きであり、それが深い罪であると感じ、自分の性格はゆがんでいると感じ、次第に孤立と問題を深めていった。
 
このような章が、アメリカのさまざまな都市をめぐった実業的な科学技術者の娘であるコーネリア・ウィルバーについて、そしてニューヨークに移住して古典語専門家と図書館司書になった両親の娘であるフローラ・シュライバーについて書かれている。そして、これからまず患者と医師が会い、そこでどのような「記憶」が隠されているのかを明らかにし、そこに上昇志向のジャーナリストが入っていくのだろう。これからが楽しみである。みなさまも、ぜひお読みください!