春を告げる温かい日々が続いています。皆様は、色々な希望と共に新年度を始めていらっしゃると思います.
私は、この4月より、東京大学・人文社会学系大学院の死生学・応用倫理センターで教鞭をとることになりました。生命倫理学が核となって、医学史という新しい学問が、人文系の学問はもちろん、医学部や看護学部をはじめとして、社会科学、薬学、理工、農学などの学問と実務と結びつける大きな転換期にいることを実感しています。
これまでは、慶應義塾大学で、24年間にわたって教えました。その中で、多くの方々にお世話になりました。三田の経済学部と日吉の教員の皆さま、学部と大学院の学生諸君、慶應の事務や図書館の皆さまから多くのことを学び、インスピレーションを得てきました。また、日本や外国の多くの大学の皆さまからも、多くを学びました。皆様に、心の底からお礼を申し上げます。
東京大学では、私たちが敬愛する研究者で、死生学と科学史・医学史との境界を切り開いた小松美彦先生の後を継ぐことになります。小松先生の洞察と、死生学と応用倫理がどのように交わるのか、学生諸君や医療関係者の皆さまと深めていきたいと思います。それと同時に、新しい医学史がくっきりと現れたイギリスやアメリカなどの英語圏、フランスやドイツのヨーロッパ圏、東アジアや世界各地の多くの国にも、医学史の研究者が数多く存在しています。彼ら・彼女らと協力して、広い範囲の医学史を作っていこうと考えております。
多くの皆さまと一緒に仕事をすることができ、新しい医学史を作り上げることを、楽しみにしております。よろしくお願いいたします。