戦前日本における心理調査の男女比

精神医療の制度や設備を利用する男女比は私たちにとっても面白い問題である。もちろんあまり変わらないケースも多いが、私がこれまで取り組んだ問題に関しては、鮮明な男女比が出てくることが多い。法律的に財産を所有する権限を女性が持っていない場合には、精神疾患による法的な処置の大多数は男性のものであった。

今回の本で戦前日本の精神病院の利用に関しては、男性が多く、比率でいうと男女比は2:1 である。これをどう説明するのかという大きな問題があり、色々と考えている。精神病院の利用件数でいうと、患者の家族が最も重要な判断主体であったケースが多いので、家族の中での男女観を見ることができるといい。先日読んだ『練成心理学』という書物は、日本の高等師範の心理学者たちの仕事で、刊行は1943年と遅いが、ヒントになる記述が多い。これは日本人に男女の性格の長所・短所を聞いて、その中で多くの人が上げたものを一覧表にしたものである。面白いことはいろいろあるが、個人的な衝撃でいうと、男子の短所というのが自分にものすごくあてはまることがうううむという感じだった(笑)

 

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