マニ教絵画展


今月号の『芸術新潮』を眺めていて、奈良の大和文華館で、マニ教絵画を展覧する展覧会を行っているのを知った。展覧会の概要は以下の文華館のサイトに書かれている。http://bit.ly/mESyz8 

私がマニ教について知っていることはほとんど何もないといっていい。この宗教は、私にとっては、アウグスティヌスの『告白』に現れる宗教であり、彼がいったん信じたマニ教を離れ、それと対決する中から、キリスト教の教義をつくり、なによりも自分の人生を定義した宗教である。私は、マニ教時代のアウグスティヌスに惹かれ、これを打ち捨てて改宗したキリスト教に惹かれてきた。時間が贅沢にとれることがあったら、アウグスティヌスマニ教の本を落ち着いて読みたいとすら思っている。そのマニ教を絵画で表したものが日本にあったなんて、思ってもいなかった。元の時代の中国で描かれた、一見すると仏画に見えるような技法のマニ教の宇宙を描いたものなど、とても不思議な絵だった。実は、開催期間中に博士論文の審査で京都に行くから、そのついでに奈良に行こうかしら。

今月の『芸術新潮』の主な特集は、6月から六本木で大きな展覧会があるワシントン・ナショナル・ギャラリーの解説だった。解説を書いているのが、中野京子さんという、西洋文化史の評論家のような人で、この解説があまりよくなかったと私は思う。

画像は、文華館のサイトより「六道図」。