ブラウン『アウグスティヌス伝』

ピーター・ブラウン『アウグスティヌス伝』上・下、出村和彦訳(東京:教文館、2004)
The Body and Society の著者であるピーター・ブラウンは私のヒーローの一人である。この書物は、<学識と明晰さと深さの融合>という学問の理想をポスドク時代の私に鮮明に教えてくれた貴重な書物で、フーコー、ポーター、ホブズボームらと並んで、私の本棚の「愛読書」コーナーに並べてある。実は、そのブラウンがアウグスティヌス伝を書いていてしかも翻訳されていることを最近知ったので、あわてて借りて読んでみた。ブラウンがオール・ソウルズのフェローであった1966年に第一版が書かれ、2000年くらいに第二版が出版されて、年老いた大家が若いころの自分を振り返る序文も付されている。日本語でもその魅力は現れているが、読み始めてすぐにこれは英語の原文を買うべきだと気が付いた。アウグスティヌスも私のヒーローの一人だから、この本の原書も買うことにした。