戦前期日本医学史のレファレンス

医学史研究のプロ向けの話を書く。

 

研究者はさまざまなレファレンスを使うが、その中で戦前期日本の医学史研究をする上で必須のレファレンスが『最新医薬品類聚』(1947-8)である。全五巻に薄い総索引が一冊ついている。

 

もともとは医薬品の物質名が掲載され、その化学式、効能、それを用いた薬の商品名などが書いてあるレファレンスである。総索引には商品名とそれが現れるページ数が書いてある。このレファレンスの存在を知り、入手して、これを引きながら診療録を読むことができるようになって初めて、ある患者が精神病院で受けた経験を理解して構成できるようになった。

 

紙媒体で持っていると便利だが、先日ポスドクの一人に聞いたのだが、近代デジタルライブラリーで画像化されているとのこと。これでもう、誰でもネット上で用いることができる。これを引けば、診療録の記録をきちんと理解する重要なツールが手に入ることになる。どうかこれを使ってください。