新国立劇場で『ドン・ジョヴァンニ』を観る。新国立劇場がこのプロダクションでドンを上演するのは数回目で、私も過去に少なくとも一回は観たことがある。場所をヴェニスに設定して、ゴンドラが動く水面の影が美しい。歌手たちも外国人の歌手たちは素晴らしいと思う。
これは恥ずかしい話なのだけれども、「こんなアリアやデュエットがここであったのか」と思う箇所が何か所もあった。ご承知のように、ドンは、アリアやデュエットの出し入れというかカットが多い作品である。今回の新国立の上演は、「ここでこんなアリアがあったっけ?」とか、「ここでこんなアンサンブルがあったっけ?」と、不思議に思うことが何回かあった。前回見たときは、そう思った記憶がないのだけれども、これはどういうことなのだろうか。