「コンニチハ技術トシテノ美術」は、せんだいメディアテークのギャラリーでの展示。11月3日に始まり、12月24日まで開催されます。青野文昭、飯山由貴、井上亜美、高嶺格、門馬美喜の5人のアーチストの作品が展示されます。ウェブサイトによると、「もとは同じ言葉でありながら、近代化の過程で意味が分かれた「技術」と「芸術」の関係について、震災後の東北に関心を寄せる(中略)5人の美術家がいま見つめるべき課題として問いかけます」とのこと。
医療における技術と芸術との関係、私もよく濫用しています。<20世紀の医学は科学的に疾病とその原理を理解し、その結果もあって治療力が高まって技術的に洗練したけれども、さらに芸術とも積極的にかかわるのが患者の利益となる>というような言い方は、きっと私も色々なところで不用意にしていると思います。先日のワークショップでも、「医学史のアウトリーチについて、なぜ<うまい>という表現を使ったのですか?」と質問されて、「医学という技術においてはそれは理解して正確に使えなければならないけれども、音楽という芸術においては<うまい>と表現するほうがいいのではないか」というような内容のことを言って、少なくとも自分では何か意味があることを言ったように思っていました。これは、少なくとも非常に浅い発想ですし、もしかしたら錯覚かもしれません。本や論文を読んで、作品を見て、その技術と芸術の関係を考えようと思っています。
ここで展示される飯山由貴さんのお仕事をしばらく見ており、精神疾患や精神医療を芸術作品にするということを理解しようとしていますので、この展示のために仙台に行ってきます。飯山さんにもお話を聞いて、作者自身の態度を記事に書こう、そしてウェブサイト「医学史と社会の対話」で書いている、ギャラリストや学芸員の視点と並べて考えてみようと思っています。そのサイトはこちらになります。