オランダのアムステルダム国立博物館が所蔵する薬箱についての詳細な書物。おそらく18世紀のアムステルダムの薬種商か医師が持っていた薬箱であるとのこと。当時の薬種商のお店の薬棚をミニアチュアにする発想である。大きなタンスに扉と棚と容器が複雑についていて、その総てが説明されている。夢のおもちゃ箱のようなもの、あるいは大きくて複雑なドールズ・ハウスが近いのかもしれない。さまざまな植物、鉱物、動物系の薬物を専門家による詳細な研究を経て同定してある。そのカタログも素晴らしい。7,000円を超える商品だが、私は十分に満足した。