これまでゲーテと科学の関係などに関して優れた著作を発表してきました東大の石原あえか先生から、素晴らしいご著書を頂きました。『日本のムラージュ』という医学の患者の模型標本の写真集です。ムラージュというのは、「特に[日本では]20世紀前半に皮膚科や泌尿器科を中心とした医学領域で、主に患部の病変・欠損・奇形などの症例を記録する資料および教材として重要な役割を果たした蝋製模型標本をさす」という説明があります。その中で、東大、慶應、北海道大学、金沢大学の医学部が、どのようなムラージュを持っているか、どのような東大を発端とするダイナミズムなのかという詳細な解説がついています。
これから、さまざまな新聞や書評誌や学術誌などで高い評価を受けると思います。写真なども、写真の専門家の大学教員が撮影されたもので、素晴らしいです。(私は金沢大学が特に好きになりました 笑) ぜひお買い求めください!
注文書にはこのように書かれています。「博物館や教室の奥で忘れられていたムラージュに光をあて、その歴史を丹念に調査した研究の集大成。職人たちの人生はもちろん、ユーモラスな寄生虫や愛らしいキノコも織り込んだ第一級史料。蝋という素材ならではの魅力と迫力をフルカラー写真で紹介する」