カルピスとお屠蘇の問題再訪

f:id:akihitosuzuki:20180502183118j:plain『変態心理』が大正10年1月に刊行したものに、お正月にお酒や味醂で屠蘇を飲むと、本人だけでなく子供も瘋癲や白痴や不良少年少女になるから、お屠蘇をカルピスで飲もうという宣伝が出ている。面白いのは、読み手だけでなく、読み手の子供が強調されるという、優生学的な議論をしているところだという議論をした。今日、たまたまこれをもう一度読んでみて、お屠蘇がどう構成されているのか、自分がよくわからないことに気づいた。

流れとしては薬草をあつめた屠蘇散をお酒などでなくカルピスに入れろという話である。とりあえずそこは成立している。ただ、もともとあったのがお酒でつくった屠蘇で、そこからつくられたのが屠蘇散の概念であり、それをカルピスに入れろという論理である。この感覚は、東京の<きつねそば>の概念に近いということをメモしておく。