イヨネスコ『授業』と芥川龍之介『歯車』ー秋と冬の SPAC の作品

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SPAC (静岡県舞台芸術センター)の今年の秋冬の作品には、これは必ず観ておこうというものが二つ。一つはルーマニア出身の劇作家でパリで活躍したイヨネスコが1951年に作成した『授業』である。1980年代の駒場ではイヨネスコの『授業』は神話であり、私もその話を色々と聞いて、とても憧れたが、まだ観ていない。今年の10月・11月は、イヨネスコ『授業』が上演され、空虚と不安と滑稽が鮮烈に現れる「不条理」を観ることができる。

もう一つの作品は11月・12月に上演される芥川龍之介の最晩年の短編『歯車』の舞台化作品である。『歯車』は高校生の時に読んで、大きく何かが変わった。大学に入って丸善に行った時も狂気の空間だと思ったし、今でも寿司を食べるのは新しい丸善が入っている建物の寿司屋と決めている。青山は私が大学に入ったときにはすでにおしゃれな街になったけれども、私は精神病院の場所だと思っているから、本当に2回か3回しか行っていない。その『歯車』を演劇とした作品。この作品も行ってみよう。