マン・ブッカー・プライズ受賞の『ミルクマン』の世界

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今年のイギリス最大の文学賞であるマン・ブッカー・プライズは、北アイルランドのアン・バーンズという作家の作品『ミルクマン』が獲得した。20世紀後半の北アイルランドのベルファーストを舞台にして、カトリックプロテスタントの政治的な争い、テロリズム、個人の生活の監視などが描かれている。その監視を行うのが「ミルクマン」である。この部分だけでもぞっとしませんか?(笑)

もちろん、ローカルな宗教な政治の争いが大きな背景になっているが、暴力、それも相互の暴力が、人間の存在に深い影響を与えることが描かれているという。私の仕事の中核は、アジア・太平洋戦争の時期の東京の中産階級精神疾患をどう理解するかという問題である。久しぶりにイギリスで大ヒットの小説を深く読んでみようと思う。