1929年の『グロテスク』座談での強精剤一覧

徳永、保、高田、義一郎、酒井、潔、梅原、北明. "強精剤の座談会." グロテスク, vol. 2, no. 1, 1929, p. 188-207.

『グロテスク』での強精剤について4人で行った座談会。北原は文化人、徳永保と高田義一郎は医師、酒井潔はよくわからないがアラビアのことなどをよく知っている。座談の主人公は北原で、これまで200種類ほどの強精剤を保ったという。強精剤と五感・六感の感覚の融合の価値も論じている。これが売春の脈絡で起きたことも頻繁にある。特に興味深いというか、ううむという箇所は、性交して売春婦から梅毒の罹患を避けることができるような薬は何かという議論である。コンドームを装着して快感が減少する代わりに男性を梅毒から守るという方法ではなく、薬を使うことで、男性の快感はそのままで梅毒感染を防ぐことができるという議論である。これは私は個人的に批判的な感情を持つが、女性の避妊薬であったピルを考えると、どちらもある意味で快感はキープするが、望まない身体現象は避けることができるという枠組みでもある。

これから少し個々の薬について調べるので、80種類近い強精剤の一覧を作っておいた。

 

月経

犬の骨灰
肉桂
蟾酥
明礬
樟脳
烏賊の甲
山椒
ガマ
六神丸
麝香
麝香猫
蛇黒焼
蝮黒焼
洋酒
いもり
偕老同穴
雨蛙
蝙蝠黒焼
狼の脳味噌
黒猫の血
冬虫夏草

カンタリス
アヘン
コカイン
ストリキニーネ
ユベニン
ヨヒンビン
硝酸あぼ・モルヒネ
ローム
カンフル
アトロピン
レマチン
鶏の足の黒焼
られん香
伽羅
木香
木犀
金木犀
丁子
イチジクの汁
ひごずいき
りんの玉
長命丸
仁丹
ゼンパツ剤
女悦丸
紅毛龍丸
寸陰香
緑鶯香
妙異丹
始皇ドウジョー丸
喜契紙
ヒッポマネス
鹿のペニス黒焼
鹿茸
水原
アンジアナ
硫酸アトロピン
ダミアナ
トッカピン
キング・オブ・キングズ
ユベニン
ムイラチン

セモリ (ここ以降は梅毒予防剤)
稀塩酸
酢酸
トーラム
ブロタルゴール
シクロ
トラカガント
青酸膏
トルアミン膏
ベトパスター