アンネ・フランクのうつ病とセイヨウカノコソウという薬

今日はもう仕事を終わる。最後にアンネ・フランクのマンガ版に出た薬を調べた(笑)アンネがうつ病になりセイヨウカノコソウ (valeriana officinalis) を飲んでいて、これが薬草か錠剤かという、誰にとってもどうでもいい話。

今のところどちらの可能性もあるが、錠剤の可能性が高い。現在の段階でも、飲むのにさまざまな飲み方がある。 薬草風のもの、粉末状のもの、錠剤風のもの、ハーブ・ティーのようなものなどである。アンネ・フランクも、きっとどのような形式で飲んでもよかったように思う。ただ、1957年と1967年の間の薬の広告で、セイヨウカノコソウ が錠剤で売られていたことがわかる。背景にはたしかに植物のセイヨウカノコソウがそのまま描かれている。しかし、その飲み方を読むと、ドラジェにして売っている。ドラジェというのは、コーティングに囲まれた薬のこと。日中の鎮静としては1-3 ドラジェ、睡眠薬としては3ドラジェを服用するように言っている。そして、30ドラジェ、100ドラジェ、200ドラジェだけ売っている。200ドラジェくらい買うと、連日にしてこの薬草を錠剤化したものを買うことができる。そしてドラジェというのは、しばしば甘いコーティングである。この部分は、甘さを感じさせる様子からナチスの地獄に移行していくアンネのマンガ版にぴったりとくる感じである。

 

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1950年代から60年代のセイヨウカノコソウの広告

 

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18世紀のセイヨウカノコソウが神経の病気に薬草として効くという書物のイラスト