21世紀のロンドンの日本食(笑)

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LRB のしばらく前の記事を読んでいた。もともとは、19世紀から20世紀初頭にかけて、ロンドンのレストランがどのように変わったのかとたどる学術的な本の書評である。第一次世界大戦がシェフやウェイターを帰国させて、それがロンドンの食事に与えた巨大なインパクトなど、とても面白い。ただ、19世紀と20世紀のロンドンでの変動と、1990年代に日本食がその姿を根本から変えてロンドンに現れたこと、そして現在のロンドンに日本食が与えているインパクトの並行性に何度も言及している記事でもある。後者は私がロンドンにいた6年間と重なる記事であるし、いまでもロンドンに行くとわりとよく日本食を食べるので(笑)、とても楽しい記事である。
 
ロンドンに行くと、もちろんイギリス料理を食べることもできる。ローストビーフかもしれないし、フィッシュ&チップスかもしれない。しかし、本当のことを言うと、私が食べるのは、インド料理、中国料理、イタリア料理、そして日本料理である。こちらの料理だと高級品はまず食べない。かなり庶民食になったものが圧倒的に多い。日本食だと、昔は Wagamama のラーメン、しばらく前は Wasabi の寿司セット、そして現在では理論的にはチキンカツカレー  chicken katsu curryである。最後のものはあくまで理論的なもので、まだ怖くて食べていない。まずいと思うなら安心できるけど、成立してしまったら日本食は何なのか、あるいは私は何なのかという深い問いが現れてしまう。うううううむ。