西ニューギニアの疾病

小林, 宏志 and 服部敏 . 西ニューギニアの衞生事情. vol. 4, 日本評論社, 1945. 南太平洋叢書 / 太平洋協會編.
 
たまたま西ニューギニアの衛生と疾病についてのパンフレットがあった。1945年に刊行されている。小林宏志 (1915-2005) は京都帝大卒。内科と法医学を学び、帰国後には著名な大学で講師や助教授となり、広島大学で医学部長となる。
 
コッホが免疫効果を論じ、幼少時から経験しているものはマラリアに対する免疫が発達すると論じた。これまでドイツや日本がこの地域で人体実験を行い、原住民がキニーネをとらずにマラリアの蚊に刺されるということをしてみたが、その通りにマラリアによる死亡者はいなかった。ただ、やはりキニーネや高級な薬は必要である。原住民は、患者を火の傍らに移し発汗させ、悪霊を身体より駆逐しようとしていた。しかし、現在ではキニーネの効用をマスターしている。
 
この地域はこれまで外界から孤立していたので、天然痘に関しては未経験であるため大流行になることが多かった。(この史実が頭に入っていませんでした!)そのため、1908年に持ち込まれた患者によって大流行が起き、ソロン島では全人口の1/3が死亡した。それから10年ほどこの地域の諸島で流行がおき、1917年に種痘がはじまった。その際にトラブルもあったが、天然痘は衰退していく。
 
耕作、軽工業、工場の労働者が現れて、そこに結核の患者が現れ始めている。
 
フランベシー
とても多い。