修道士が飲むワインの量

ヨーロッパの病院を支えた強力な柱はキリスト教であり、その中でも修道院という施設が重要である。修道院の一つのメリットは、いつでも機能しているからだろう。疾病でいうとペストのようなもので、数か月の有事があって、その短い期間のために緊急にオープンさせる施設とは異なっている。むしろ、ハンセン病のような慢性型の感染症や、精神疾患のように長期型の疾病にケアを行える空間を作ることができる。新約聖書福音書に登場するイエスの行動もハンセン病精神疾患を対象にすることが多いと感じている。

その関係もあって、初期の時期にあたる古代・初期中世の修道院制度をコンパクトに論じた素晴しい本を読んでいるうちに、修道士が飲むワインの量が書いてある場面があった。これは、エジプトに修道院を設立したパコミアス (Pachomius, c.292-348 AD) や、イタリアのモンテ・カッシーノ修道院を設立したベネディクト (Benedict of Nursia, c.480-c.543) などの「生活規則」を見ると、彼らに与えられた食事がわかるとのこと。健康な修道士は肉を原則食べないし、食事は同じものを食べるという規則はあるが、わりと食事はいい。一日二回の食事、それぞれ、二種類の料理、果物など、パン、ワイン。パンは1パウンドというから450グラムくらい。ワインが一日に1ヘミネ (hemine)と書かれている。ヘミネを普通に計算すると約250ml であるが、偉い学者がおそらく約750mlの意味だろうと書いている。しらべてみたらこの解釈が多いが、 500 ml と解釈する人もいる。

一日のワインのこの部分の差は非常に大きい。私にとってはこれは混沌としている世界だが、なぜか教えて欲しい。