21世紀の新しい健康・医療の記事と新しい仕事

2022年1月9日のエコノミストの記事。21世紀には消費者と企業があたらしい健康を追及しているという非常に面白い記事である。分かりやすいグラフなどがたくさんあり、私自身も最近使っている Fitbit というデジタル健康機器の話など、ぜひお読みくださいませ。

 

www.economist.com

 

信頼している人々にはもう話してありますが、やや公けな場で私的な状況を説明する時が来たと思います。今から約5年程前に、神経膠腫の大きな手術をしました。発見の経緯、MRIの画像、数時間にわたる覚醒下手術抗がん剤の利用、一年後のもう一回の大きな手術、その後の放射線治療などを経て、現在の状況まで戻り、仕事がかなりできるようになりました。この過程で、慶應病院の佐々木先生、実佳と佳那子という家族、そして国内・国外の医学史の研究者や、同じ研究室・キャンパスの同僚たちは、本当に献身的に助けてくださいました。この方々がいなければ、私はきっと簡単に潰れていました。実感をともなって、そのことを感じています。心の底から、お礼を申し上げます。

 

2022年から始まった新しい仕事の中で、皆さまに報告するべきことが、もう一つあります。Medical History という医学史の学術雑誌があります。現在ではケンブリッジ大学出版局が雑誌として出版しています。Medical History は、日本と世界の優れた医学史研究者たちにとっても、私個人にとっても、特別な重要さを持つ雑誌でしたが、今年から、その雑誌の編集者 Editor となりました。私の後に同誌の Book Review Editor をした Tara Alberts 先生との二人の学者が編集者です。Tara はもちろん、私の前には数多くの偉大な先生たちが編集者であり、彼ら・彼女らを私は深く尊敬しています。私も、微力を尽くして、この雑誌の水準と風格を保ち、発展させることができればと考えています。まだ不完全な部分はありますが、現在の体制はこのようになっています。

 

www.cambridge.org

 

このことを皆さまに報告することは、もちろん政治的な理由があります。この雑誌のような、国際的な言語で書かれた一流誌に執筆することは、とても重要なことです。そのような雑誌を編集することも、少なくとも同じくらい重要です。英語などの国際言語を使う仕事に、人文社会系の学者がたずさわること。その部分で実践を示すこと。それが、私の政治的な野心であり、皆さまに考えていただきたいことです。皆さま、このことを色々と考えていただくよう、お願い申し上げます。