室井佑月『熱帯植物園』

必要はなかったけれども、アマゾンで赤坂真理の文庫本をたくさん買ったときに、皆さんもご存知の「この商品をお買い上げの方は・・・」というのに釣られて買った作品。「室井佑月」という文字列にはなんとなくなじみがあって、女優かモデルだろうと思っていたら、小説家だったのかという軽い驚きがあって、本の解説を読むと、彼女は元モデルの美人小説家だということがわかって、さらに驚けばいいのか、納得すればいいのか(笑)

まあ、自分が良く知らないジャンルの本で、こういう販売促進に釣られてみて買うと、上手くいかないことのほうが多いのだけれども、これも上手くいかなかった。高校生の女の子の性というテーマで、たしか『ミューズ』と一緒に勧められたのだけれども、室井の「熱帯植物園」で描かれているのは、高校生の性や身体にまつわる「気分」で、『ミューズ』とはかなり違う主題であるような気がする。それを受け入れると、きっと優れた作品なんだろうけれども。

もし、アマゾンの販売促進係りの人がこの記事を読んでいたら、赤坂作品とカップリングで売るのが正解の書物は、藤原書店から翻訳が出ているバーバラ・ドゥーデンの『女の皮膚の下』だと思うんですが(笑)。赤坂真理の『蝶の皮膚の下』という作品とカップリングすると、何かもっともらしい。