熊本のフィラリア


未読山の中から、明治38年の熊本のフィラリア研究を読む。文献は、谷口長雄「『フィラリアバンクロフチコツボルド』ノ生物学的及臨床的追加」『鎮西医報』No.90(1905), 1-129.

佐々学の古典的な本が手元にないので詳しいことは分からないけれども、かつては西日本にフィラリアが蔓延していた。この論文は、県立熊本病院の医師が執筆したもので、フィラリア線虫の顕微鏡写真も付された豪華なもの。この病院の外来患者は年間だいたい3000人くらいで、そのうちフィラリア患者はだいたい30人前後(1%くらい)だった。病院には来なかったようだけれども、疫学的な調査によれば、沿岸地方、それも天草地方に多い病気であった。

天草地方はコレラの被害も大きく、ハンセン病でも有名だったけれども、フィラリアもあったのか。過去においては、フィラリア(象皮病)とハンセン病(らい病)が混同される、古典的な間違いもあったのだろうな。

画像はこの論文より。何が写っているか、素人にはよくわからないような写真でも、当時は興奮したんだろうな。