精神医学史学会開催のお知らせ

今週末、10月31日・11月1日と、慶應義塾大学・日吉キャンパスで第13回の精神医学史学会が開催されます。 8つのパネルディスカッションなど、盛りだくさんの内容になっています。どなたでもご参加できますが、参加費が8000円必要です。どうぞ、ふるって、足をお運びください。


第13回精神医学史学会プログラム
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日時: 2009年10月31日・11月1日
会場: 慶應義塾大学・日吉キャンパス・来往舎2階
     (東急東横線横浜市営地下鉄・「日吉」駅)






<大会スケジュール>

10月31日
9.30-10.00 受付
10.00-11.30 セッション 1 (A会場、B会場)
11.40-12.30 特別講演 Thomas Mueller 教授 (A会場)
12.40-13.40 昼休み (B会場にて評議員会)
13.40-15.10 セッション 2 (A会場、B会場)
15.25-16.55 セッション 3 (A会場、B会場)
17.15-18.15 ワークショップ「ハムレット」(A会場)
18.30-20.00懇親会(英国風パブ HUB)

11月1日
9.30-10.00 受付
10.00-11.30 セッション4 (A会場、B会場)
11.40-12.10 総会 (A会場)
12.10-13.10 昼休み
13.10-13.55 会長講演(A会場)
14.00-15.30 セッション5 (A会場、B会場)
15.45-17.15 セッション6 (A会場、B会場)
17.15-17.45 次期大会会長挨拶




<セッション>

                             * 印はパネル・オーガナイザー

セッション1 (10月31日 10.00-11.30)

A会場

1-A パネル「精神障害と社会的補償」

1) 佐藤 雅浩 (日本学術振興会慶應義塾大学
  戦前期日本における外傷性神経症研究と労災補償
2) 小俣 和一郎 (上野メンタル・クリニック)
  ホロコースト後遺症と戦後補償
3) 岡島 美朗 (自治医科大学 精神医学教室)
  「ストレス―脆弱性」理論の由来-精神障害の原因論に関する医学史的考察―
4)*北中 淳子 (慶應義塾大学 文学部)
  「疲弊の科学」:労働の精神病理としてのうつ病をめぐって」

B会場

1-B 個人演題

1) 岡田 靖雄 (青柿舎・精神科医療史資料室)
  『資料集 日本の精神障害者(戦前篇)』の編集にむけて
2) 田端 幸枝 (県立広島大学保健福祉学部)
  精神科医療に関わる電気療法;江戸時代から日露戦争まで
3) 田端 幸枝 (県立広島大学保健福祉学部)
  呉秀三が訪問した日露戦争時の陸軍廣島豫備病院の 精神科医療 その3;治療法
4) 鈴木 英鷹・本多 義治・本多 秀治・入澤 聡
  (大阪河リハビリテーション大学リハビリテーション学部・医療法人 爽神堂 七山病院・医療法人 爽神堂 七山病院)
  地方都市精神病院における作業療法の草分け
   第2報(昭和初期から終戦までにおける七山病院の取り組み)

セッション2 (10月31日 13.40-15.10)

A会場

2-A パネル「非医師による検査・療法をめぐって」

1) 小泉 晋一(岐阜聖徳学園大学教育学部
  戦前までの日本における催眠・精神療法の資格問題
2) 鈴木 朋子(横浜国立大学大学院教育学研究科)
  日本への知能検査導入に貢献した医学者・心理学者
3) 安齊 順子(城西大学現代政策学部)
  内田クレペリン精神作業検査について
4) *高砂 美樹(東京国際大学人間社会学部)
  ドイツ心理療法士法と資格制度の歴史

B会場

2-B 個人演題

1) 小池 清廉 (京都総合福祉協会)
  インド古代仏典における精神障害の記述と病因論
2) 新田 篤 (京都大学大学院 人間・環境学研究科)
  芥川龍之介フロイト受容と斎藤茂吉
3) 熊 努・大前 晋 (虎の門病院分院精神科)
  「消耗抑うつ」再考
4) 池村 義明 (美原病院)
  Friedrich Heinrich LEWY (1885-1950) と Karl Ludwig BONHOEFFER (1868-1948),
   二人に見た確執- 神経(精神)医学史断章 -

セッション3 (10月31日 15.25-16.55)

A会場

3-A パネル「社会に生きる精神・神経科医―近現代イギリスとドイツを事例として」

1) 大谷 誠(同志社大学・嘱託講師)
  20世紀初頭イギリスにおける富裕層の「精神薄弱者」とトレッドゴールド医師」
2) 石井 香江(四天王寺大学・専任講師)  
  世紀転換期ドイツにおける「災害神経症」をめぐるポリティクス:
   電話交換手と医者たちのやり取りに注目して」
3) *高林 陽展(日本学術振興会・特別研究員)
  イギリス精神科医プロフェッションの再検討:1890年狂気法下における職階構造の分析」

B会場

3-B 個人演題

1) 大月 康義(大月クリニック)
  生態的ニッチとしてのうつ病とジャネの神経症論
2) 岡田 聡 (早稲田大学大学院・文学研究科哲学コース博士後期課程2年)
  「ヤスパースの思索の態度と、その目指すもの」
3) 山岸 洋(北野病院)
  1800年前後のドイツ哲学と精神医学:司法精神鑑定の問題における Kant と Hoffbauer
4) 高橋 隆夫(大漱病院)
  精神病理・精神療法学会の30年一症候群・状態像の報告内容について一

セッション4 (11月1日 10.00-11.30)

A会場

4-A パネル「老年精神医学の歴史」

1) *関谷 ゆかり(東京大学大学院総合文化研究科)
  老耄性痴呆の歴史
2) 松下 正明(東京都健康長寿医療センター)
  アルツハイマー病概念の成立とその混乱
3) 古茶 大樹(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
  Kraepelinと老年精神医学
4) 下和田 英洋(近畿大学医学部精神神経科学教室)
  認知症スクリーニング検査の歴史とCADS( Computer Applied Dementia Scale)の有用性
5) 松下 正明(東京都健康長寿医療センター)

指定討論
(全体の時間が90分のため、1)-4) まで、各15分、5) は10分、残りの20分でフロアとの討論)

B会場

4-B パネル「憑依をめぐる日本人の心性史―民俗学と精神医学の対話」

パネルオーガナイザー *昼田 源四郎(福島大学人間発達文化学類)
1) 大宮司 信(北翔大学人間福祉学部)
  憑依状態の心理と病理
2) 青木 真理(福島大学総合教育研究センター)
  沖縄の宗教的職能者の「憑依」様体験について

セッション5 (11月1日 14.00-15.30)

A会場

5-A パネル「Kraepelin前後のうつ病概念について」

1) 大前 晋(虎の門病院分院精神科)
  Carl Lange (1834-1900,DK) 「周期性デプレッションとその病因について
   Om Periodiske Depressionstilstande og deres Patogenese」(1886)
    ―――「軽症内因性うつ病」の起源
2) *阿部 隆明(自治医科大学医学部精神医学教室/自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
  Emminghausの子どものメランコリー(Melancholie)について
3) 古茶 大樹(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
  Hocheの「メランコリー問題Melancholiefrage」(1910)

B会場

5-B 個人演題

1) 昼田 源四郎(福島大学人間発達文化学類)
  鯰絵とPTSD
2) 加納 由起子(神戸女学院大学
  フランス近代精神医学の黎明期(1798年〜1838年)における「欲望する人間」類型の出現と発展について
3) 近藤 等(医療法人朋心会旭山病院)
  台湾総督府養神院について

セッション6 (11月1日 15.45-17.15)

A会場

6-A パネル「成立過程から見た我が国の精神科作業療法

1) 鈴木 國文(名古屋大学医学部保健学科)
  欧米における作業療法の起源
2) 中川 与四郎(特定医療法人楠会 楠メンタルホスピタル)
  我が国への導入と展開―“作業”の意味合いに焦点を当てて
3) 渡部 貴史(医療法人八誠会 守山荘病院)
  身分法制定と点数化時の動きとその背景
4) 星野 藍子(名古屋大学医学部保健学科)
  近年の作業療法士の増加からみる作業療法士の役割と背景理論の変化
5) *毛利 将平 (医療法人成精会 刈谷病院)
  米国と比較した我が国の精神科作業療法の発展

B会場

6-B パネル「日本の精神病院史―人・場所・アイデンティティ―」

1) 中村 治 (大阪府立大学人間社会学部)
  岩倉病院の歴史から見えてくるもの
2) 板原 和子 (大阪体育大学短期大学部
  昭和戦前期の大阪の精神病院
3) 近藤 等 (医療法人朋心会旭山病院)
  東北地方の精神病院の創生期
4) *橋本 明 (愛知県立大学教育福祉学部)
  アルト・シェルビッツと松沢―精神病院プロジェクトの夢と現実