『カレル・チャペックのごあいさつ』

少しあいた時間に、『カレル・チャペックのごあいさつ』を読む。1920年代から30年代にかけてチャペックが書いた評論をまとめたもの。チャペックはちょっと好きな作家で、『ロボット』『山椒魚戦争』といった有名な作品だけではなく、『白い病気』のようなマイナーな作品や、『園芸家十二か月』のようなユーモラスな作品も愛読している。

「誰もが自分の意見をもちたいと思っています。それは結構、反対するいわれはありません。ところが、この自分の意見は一つのまったく困った性質をもっています。つまり、通常それは声に出して言われるということです。」

「社会教育の第一の要求は自分の愚かさを隠すことです。自分の意見は神からの大きな授かりものです。しかしそれに対しては何かによって支払わなければなりません。その支払いとは沈黙です。」

「電車を待っていると、いつも反対方向の電車ばかりが来ると証言する人がいます。そんなわけで私の知人の一人が運命をだまくらかそうとして、わざと反対側の線の乗り場で待つことにしたのです。」

「すべての人は結局、その本音のところでは愛国者です。なぜなら、すべての人は本音のところでは保守的だからです。というのは、たとえばヴルタヴァ川は在るべき場所にあるべきでないとか、言い出さないからです。」