『素女妙論』の新写本

永塚憲治「新たに発見された『素女妙論』の写本―その翻字と校合―」『大東文化大学 中国学論集』29(2011), 101-144.
『素女妙論』という中国で明代に刊行されたとされている房中術の書物があるが、中国刊本が確認されず、日本由来の写本でしか内容を伺うことができないという。その写本に二つの系統があり、一つは嘉靖15年刊の書物、もう一つは嘉靖45年刊のものであり、二つの系統はかなり違う。後者は英訳もされており、よく使われている。前者は明治初期に写された東北大学の写本(狩野本)しか知られていないが、今回、群馬の古書店から買った写本が嘉靖15年刊の系列の新しい写本であった。これを通じて、これまで不十分であった『素女妙論』の理解に貢献するとのことである。

永塚先生、貴重な論文をお送りいただき、本当にありがとうございます。同封されたお手紙の中で、私たちがどこでお会いしたのか言及していただいて私の記憶を助けてくださればもっと嬉しかったです。