二つの美術史映画

帰りの機内映画は美術史関係のものを二つ観ることになった。ひとつは The Monuments Men (邦題『ミケランジェロ・プロジェクト』)。ナチスによるヨーロッパの美術作品の略奪と戦ってそれを取り戻す、勇気あるアメリカなどの美術史研究者たちの英雄的な行為を映画にしたものである。ロバート・エドゼルの『ナチ略奪美術品を救え』というベストセラーのノンフィクションが原作になっているとのこと。ナチスの占領地、教会、個人収集家たちが持つ美術品が、まさに根こそぎ略奪されてドイツに運ばれて隠されていたとのこと。数万点とか数百万点といった規模に上るらしい。原作を読んでみようかな。もう一つの映画は、 The Best Offer というタイトルで、こちらはなかなかいい作品だった。美術品やアンティークのオークショナーとして世界的に有名な人物に、姿を見せない若い女から鑑定の依頼があり、二人の間に奇妙な関係が発展していくという話である。初老のオークショナーをジェフリー・アッシュが好演していて、彼の演技が素晴らしかった。