笹川財団さまより、「ハンセン病の歴史を語る 人類遺産世界会議」の国際シンポジウムのご案内をいただきました。2016年の1月28日から30日まで、ハンセン病の歴史資料と、過酷な差別の環境の中でその疾病を生きた人々の記憶を保存するためのシンポジウムが開催されます。医療関係者、歴史関係者、さまざまな人文社会科学の関係者にとって、必須の会議になるでしょう。
ハンセン病の歴史を語る 人類遺産世界会議
人類の歴史を通し、世界各地で、厳しい偏見と差別の対象であったハンセン病の歴史は、これまで「負の遺産」「負の歴史」というコンテクトで語られてきました。しかしハンセン病の歴史はそれを生き抜いた人々が放つ、生命の輝きの歴史でもありました。名前を失い、故郷、家族、友人をも失い、社会とのかかわりを断たれながら、一人の人間として、内から強い光を放ちながら生きてきたその軌跡は、人間の持てる計り知れない力と可能性を表す、人類の財産であり、遺産です。
ハンセン病は「過去の病」と見なされるようになり、その歴史は世界的に急速に失われつつあります。歴史の記録と保存は、今をおいてはかなわない急務です。この人類の遺産の保存促進のため、世界約20カ国の当事者、政府機関、NGO、研究者などの参加者と共に、世界規模で情報共有と連携を図り、今後の道を協議するため、「ハンセン病の歴史を語る 人類遺産世界会議」を開催します。
人類遺産世界会議では、世界各地のハンセン病の歴史を取り巻く状況、歴史保存に関わる主たるプレイヤー、回復者の生きた証を残す作品のセッションに続き、関心分野やアプローチの差を超え、歴史保存の緊急性という問題意識を共有する関係者が、地域連帯構築をはじめ、歴史保存の今後の可能性を協議し、ハンセン病の歴史保存のうねりを高めて行きたいと思います。
1月27日(水) プレ人類遺産世界会議(資料館と全生園)
1月28日(木) 人類遺産世界会議オープニング(笹川平和財団ビル)
1月29日(金) 人類遺産世界会議(日本財団ビル)
1月30日(土) 人類遺産世界会議クロージング(日本財団ビル)
人類遺産世界会議
1月27日(水)
08:00 ホテル発 資料館へ移動
09:30 – 11:00 セッション1(資料館)「私たちが残す歴史~日本~」
11:00 – 12:30 資料館見学
13:00 – 14:00 昼食
14:00 – 14:20 世界のハンセン病の歴史概要
14:20 – 16:00 セッションII-1「世界の取り組み 第1部」
16:00 資料館発 帝国ホテルへ移動
18:00 レセプション
1月28日(木) 人類遺産世界会議 1日目(平和財団ビル)
09:30 – 09:35 笹川記念保健協力財団 会長 挨拶
09:45 – 11:00 スタジオジブリ 宮崎駿監督 講演
11:00 – 11:15 休憩
11:15 – 12:45 「となりのトトロ」上映
12:45 – 13:45 昼食
13:45 – 14:00 ハンセン病の歴史を語る 人類遺産世界会議 分科会紹介
14:00 – 16:30 セッションII-2「世界の取り組み 第2部」
1月29日(金)人類遺産世界会議 2日目(日本財団ビル)
09:30 – 09:45 2日目開会
09:45 – 12:00 セッションIII「保存する・学ぶ・伝える~主たるプレイヤーは誰か」
(コロンビア、マレーシア、フィリピン、アメリカ)
12:00 – 13:00 昼食
13;00 – 15:00 セッションIV:「生きた証・創造力・作品:芸術、文芸、生活用具」
(日本、ナイジェリア、コロンビア、中国、中国)
15:00 – 15:15 休憩
15:30 – 17:30 セッションV「未来への遺産~実現の途をさぐる」協議
南米・アジア・ヨーロッパ地域連帯
何が必要か、何をすべきか協議
1月30日(土) 人類遺産世界会議3日目(日本財団ビル)
09:30 – 12:00 歴史保存の今後・歴史保存宣言最終化
12:00 – 13:00 昼食
13:00 – 13:30 東京宣言発表&サイン
13:30 – 13:45 閉会 笹川記念保健協力財団 理事長