Medical History 書評委員長を退任いたしました。

Med Hist Volume 61(4); 2017 Oct

 

2013年の57巻1号にはじめた雑誌Medical History の書評委員長の仕事を、2017年の61巻第4号の出版で終了し、退任いたしました。5年間のあいだ、書評構成の仕事を手伝ってくださった皆様に、心よりお礼を申し上げます。Medical History の編集局のみなさま、ことに編集長の Sanjoy Battacharya 先生は、とても楽しい仕事の環境を作ってくださいました。ケンブリッジ大学出版会のみなさまは、きちんとした仕事で、慣れない私のミスを何度も救ってくださいました。私の研究室のスタッフ、特に後半の数年間、書評者決定にいたる作業をこなしてくださった慶應英文の卒業生の塚本紗織さん、どうもありがとうございました。的確さの権化のような素晴らしいお仕事でした。また、書評執筆のお願いに答えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。年に4回の新刊書一覧を作成してくださった東大研究員の奥村大介君にもお礼を申し上げます。冒頭にリンクを掲げた私が編集した最後の号には、成蹊大学のFuhito Endo 先生が書かれた書評も掲載されております。ぜひご覧ください。

書評委員長をしておりますと、さまざまな言語で出版された本が世界中から研究室に送られてくるのも、ちょっとした壮観です。英語が中心ですが、ヨーロッパ系のあらゆる言葉で出版された医学史の書物が研究室の棚に並んでいました。その中にはいろいろな本があり、一流の大学で教育されて医学史の研究者になった若手学者が書いた野心的な書物と、年老いたお医者さまがご自身のお祖母さまの資料を丁寧に調べて出版された小ぶりですが誠実な書物などが並ぶ棚は、医学史という学問の広がりと意味について、私の考えを大きく変えて深めたと思います。

新しい書評委員長は ヨーク大学の Tara Alberts 先生です。ケンブリッジ大学で博士号をとられ、初期近代の南アジアや東南アジアがご専門です。Medical History の書評欄の充実を続けていただけることと思います。雑誌の刊行とほぼ同時に、PubMedCentral に電子版がアップロードされますので、ぜひご覧ください。