日本の精神医療と東アジアの各国との比較+OECD

田形弘実ほか. "東アジアの精神科医療事情." 精神科 31, no. 3 (2017): 222-25.
 
基本的なデータを手にすることができた東アジアに関する論文。まずは現在の精神病床数、精神科の医者の数を、中国、韓国、台湾でくらべた表である。日本の精神病床数が中国と較べても気が遠くなるほど多いという事実である。人口としては中国の1/10 の日本が、精神病床数でいうと、中国の3倍近く多いという数字は、改めてめまいがする。そして韓国と台湾は、もちろん日本よりも少ないが、まだ日本に似ていることも、何かの意味があるのだろうか。
 
  日本 中国 香港 韓国 台湾
推定人口(万人)

12,700 

133,900 729 2,400 2,350
国民GDP/$US 4兆4千億 11兆 3千億 1兆4千億 5千億
1人あたりGDP/$US 34,486 7,990 42,737 27,450 22,495
医療費の対GDPパーセント 8.60% 3.10% 5.40% 4.00% 6.60%
精神科病床数 338,174 129,314 - 49,371 23,404
人口1,000人あたり 2.66 0.10 0.56 0.98 0.99
精神科医 15,187 16,103 - 3,650 1,646
人口100,000人あたり 10.20 1.24 - 7.00 5.70
 
それからこれは論文の図をもとに OECD Statistics からとってきたOECD 諸国の精神科在院日数である。2014年のもの。日本の圧勝一人勝ちというのか一人負けというのか、その様子はすさまじい。かなり離しているが二位は韓国であることも重要である。短い順に並べてみた。
 

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