医学書院/週刊医学界新聞(第3285号 2018年08月20日)
週刊医学界新聞より、夏休みということもあってベッドサイドで読むべき推薦マンガの特集である。基本は、医師の皆さんが優れたマンガについて楽しいことを色々書いている身内ワールドという、古い制度の中で作られたジャンルである。読むと結構楽しい。これはこれでいいのだろう。
ただ、この方向は、世界の医学界の新しい方向ではない。文学、演劇、映画の分析の仕方を大学や大学院で研究してきたことを学んだ専門家というものが、医師や患者に向けてそれらの良さを説くのが標準形である。Medical Humanities などのBMJの雑誌などを開いてみればいい。それが新しい方向性である。医学史も同じ経緯を取ったうえで、医療者が新しい歴史の感覚を持つことになる。それと同じだと私は考えている。