Kurz, Peter and Thomas E. Esser. 1989. Journal of Occupational Medicine. 31, 4: 331-334.
1980年代にカリフォルニア州において、農業労働者が集団サイコジェニック神経症流行を経験した事件の報告である。無関係な3件の事件である。それぞれ患者の数は、4人、12人、45人の集団発生。神経症の症状を示し、身体的な原因は何もない。いずれの事件も、殺虫剤をヘリコプターなどが撒いたのちに労働者たちが集団で不調を訴えるというパターンであった。ことに、殺虫剤を大量に散布したのちの労働は、bona fide fear というべき現象であり、労働者が大きな不安を持ち、それが集団的な神経症になることは納得できる。また、マスメディアも殺虫剤に関して鋭い関心を持ち、場合によっては鋭すぎる関心を持つケースもあった。性別に関しては、女性が圧倒的に多かった。もう一つ、面白いことが、殺虫剤の臭い odor が重要であった。臭いの仕事、一度やってみたかったのです。