抗生物質と耐性菌と日本の優れたパフォーマンス

エコノミストエスプレッソで将来の抗生物質の役割に警鐘が鳴らされていた。抗生物質は20世紀前半のペニシリンの開発以来、非常に多数の人命を救った薬である。しかし、長期の利用や不必要な資料が多いと、耐性菌という殺すことができない病原体となることも有名である。2000年から2016年を調べると、現在の推計では、耐性菌のために世界で年間70万人が死亡している。この傾向が続けば、2050年には1,000万人の死亡が予想されている。1,000万人というのは、現在の心疾患が世界で900万人、自動車事故が200万人、結核でも200万人弱だから、非常に大きな数字である。

国際比較をするとパターンは鮮明である。先進国では抗生物質の利用はむしろ減少しており、増加は中層と下層の所得の国家である。トルコやベトナムなどがこの増加している国家にあたる。

いいニュースは、日本の優れたパフォーマンスである。抗生物質の利用が先進国の中で最も少なく、国際比較の視点では優れていると思う。

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Economist Espresso より