世界の国家・都市別の covid-19 の死者数のデータ処理

 
エコノミストからもうひとつ非常に面白いデータ。covid-19 のインパクトを国際比較したという記事である。いくつかの大切なポイントがあり、一番重要なのは、死者数に集中していることである。具体的には、必ず記録される死者数と、その中でcovid-19 によるとされた死者数の両者を較べてみるという手法である。これが最も重要な手法だと思う。いくつかの国家では第一波のピークが過ぎている、ある国ではこれから第一波ということがはっきりとわかる。面白い問題は、一般死者数とcovid-19 における死者数のズレである。ヨーロッパではだいたい一致しているし、スウェーデンやドイツやデンマークなどの福祉のお手本の国家ではきちんと一致している。一方、中南米ではズレが非常に激しい。
 

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スウェーデンやドイツの一致したデータ

 

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中南米諸国のズレたデータ


 
日本のニュースでは、この問題をめぐる議論になかなか出会わないような気がする。死者全体の数と covid-19 による死者の数の双方を出してくれると、状況をきちんと把握できる。患者数が東京で再び急速に増加しており、covid-19 による死者数はほとんど変化していないのだから、死者数一般のデータに言及してくれると、重要なことがわかると思う。