サル痘(monkeypox) の疫学と同性愛と HIV/AIDS

世界を不安にさせていたサル痘 (monkeypox). 初期の疫学の結果が出てきました. 患者はすべて圧倒的に男性であって 100%. うち同性愛者であるかバイセクシュアルである患者が97%をしめていて、男性と男性の性交がサル痘になりやすい状況を示しています。もちろん女性との性交で感染したのではないかと考えられる男性もいます。

大切なことなので、誤解がないように付け加えておきます。1980年代で、私が青年時代だったときに世界を覆った大誤解が「アメリカのゲイが根源になった」ということでした。アメリカのゲイが感染に役割をはたしたことは事実です。しかし、それだけに集中して、Patient Zero などという間違ったシンボルを作り出してはならないです。ことに Patient Zero の神話が現実と異なる事情、現実はどうだったのかについては、先学期に多くの学生が納得して読んだ名著である R. A. McKay, Patient Zero and the Making of the AIDS Epidemic (Chicago: University of Chicago Press, 2017) を読みました。どちらもお読みください! 

 

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